2015年 08月 18日
大峰・北山峡 立合川本流(第2ゴルジュ・ぬたの滝まで)
大峰山脈の最南部、地形的には南紀といっても差し支えない場所にある、大峰屈指の大渓谷・立合川(たちあごう)
完全遡行するのには、通常は丸二日以上かかる長大な谷です。 が、今回は偵察という事で、M君と二人で少しだけ登ってきました(^^)
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よりきや淵滝(8m) を右岸から注ぐ枝沢をからめつつ越えていくと、目の前には・・・谷いっぱいに広がる美しいナメ! 
立合川は、ゴルジュ帯(←意味は記事の末尾) が8箇所もあって暗いイメージの谷なのに、ビックリ仰天の爽やかな絶景♪
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深く長い淵の奥に落ちるのは、はままつ滝(4m)  泳いで取り付いて水線を両足のツッパリで直登するも、不安定なので作戦変更。
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少し登って左下に飛び込み、奥に行ってみると洞窟のようになっていました。 ザックが邪魔でしたが、なんとか上に這い上がれました。
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RICOH WG-4 GPS


両岸が圧倒的な迫力で迫ってくるゴルジュ。 陰鬱で恐怖さえ感じそうな雰囲気の中に7m滝のお出ましです。
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泳いできた後ろを振り返るとこんな感じです。 岩の迫力以上に、水の美しさも強烈です!
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どう攻略するのか思案中(?)のM君。 ここは私がロープを張りました。今回初めて使ったラバー底の渓流シューズで快適に直登。
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RICOH WG-4 GPS


7m滝を登り切って、上から下を見たところです。 凄い景色の連続に二人とも大興奮してました(笑)
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またまた美しい淵に癒されます♪ ここで暫し休憩。 
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さらに進むと、またもや壁が迫ってきます。 深く切れ込んだ流れの連続には、ただただ自然の力に驚くばかり。
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2段4mの銚子滝。 ここは釜を泳いで左岸に這い上がり、残置されていたFIXロープを補助に使って登りました。
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右岸の壁が大きく頭上を覆いはじめ、谷が大きく右に曲がったと思うと目の前には!! 立合川大滝(35m) です。
ドーム状になった壁の中では轟音が響き渡り、細かい霧状の飛沫が飛び散り、上のほうは白く霞んでいました。
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今まで沢登りで色々な滝を見てきましたが、これほどまでに特異な滝は初めてでした。 大洞窟の中に落ちる大滝です。
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のん気に泳いでいるのは私です(笑) いや~めっちゃくちゃ気持ち良くって最高でしたよ♪
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RICOH WG-4 GPS 


大滝は登れないので高巻きます。 2時間や5時間とか、登り方とライン取りによっては危険で大変な目に遭ってる記録が見られます。
私たちは遡行中に目星を付けておいた場所から、あっさりと巻くことが出来ました(^.^)
古い遊歩道(大昔に炭焼きや植林のために造られた道) に辿り着き、上流に向かって歩き、大滝の看板の所から谷へ向かいました。
短い懸垂下降をして降り立った場所は、大滝のスグ上にある5m滝の落ち口。 その向こうには35m大滝の落ち口が見えています。
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下降に使ったロープは固定したまま、もう少し先まで行ってみました。 第2ゴルジュで最後の滝、ぬたの滝(6m)
まだ13時前でしたが、大阪まで帰るのに車で4時間はかかるので今回の遡行はここで終了としました。
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FIXしておいたロープで、M君に秘伝のテクニックを伝授しつつ登り返した後は、苔むした石積みの遊歩道を歩いて楽々の下山(^^)
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今回の目的の一つは、遡行ルート前半のカギと言われる、35m大滝の高巻きルートの確認することでした。
少し迷いましたが、結果的には30分以内で遊歩道まで上げれる易しくて安全なルートを見つけることが出来ました。
今回は全体の1/5とか1/6しか遡行していないと思います。 来年以降、完全遡行目指して必ずM君と再訪したいです!!

   ※ゴルジュ(登山用語) とは・・・狭く切り立った岩壁に挟まれた谷のこと。
    廊下などとも呼ばれます。 ゴルジュは喉(のど)を意味するフランス語。

by alpinism2 | 2015-08-18 23:19 | 沢登り・クライミング | Trackback | Comments(18)
Commented by sho-m1228 at 2015-08-18 23:34
いいですなぁ。
美しくて幽玄で神秘です。
こういう景色を見たくてまた沢に通うんでしょうなぁ。
あとはやはり滝を登りたいという気持ち。
沢登りって素晴らしい。
Commented by kk5d2 at 2015-08-19 18:34
素敵な作品見ることが出来て嬉しいです~
涼しげな気分に浸れましたよ~
ありがとうございます。
Commented by hikarigraphy at 2015-08-19 20:21
こんばんは(^^♪
やっぱ、大峰は深いですね~
スケールの大きさも然ることながら深い谷の暗黒の世界にビビりました
alpinismさんの泳ぐ姿、あっ晴れです^^
Commented by dosanko-mama at 2015-08-19 21:46
日本じゃないみたいですね!!
こういう場所が秘境っていうんだな~と改めて思いました!!
先日、渓谷登山の事故のニュースを見て、真っ先にalpinism2さんを思い出したのですが、
やっぱり、危険もつきものなのですね…。
どうか安全にお気をつけて、渓谷の美しい風景を届けてくださいね♪
Commented at 2015-08-20 08:50
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by あっぽ at 2015-08-20 22:16 x
泳ぎ、気持ちよさそうですね〜^^
大きな洞窟に流れ込む滝って迫力ありますね。
実際に見たらもっとすごいんだろうなぁ〜
Commented by WWMC at 2015-08-21 08:19
素敵な滝ですねえ。2枚目と6枚目のカットは大好きです。

こういう風景を拝見するといつも思い出すことがあって
それは幼い頃旅したときに車窓から一瞬みえる川の色です。
神秘的な淵の水の色が幼ごころに鮮烈に残ったものです。
窓から顔を出して(そんなことも出来た!)一所懸命に
見つめてたりしました。
Commented by mint at 2015-08-21 16:21 x
こんにちはぁ^^
美しく迫力のあるお写真の数々、見入ってしまいましたぁ♪
水の色がスゴイですねっ!
滝の流れ落ちるお写真は、音が聞こえてきそう。
登山もそうですが、沢登り制覇した時の達成感はそれは気持ち良いのでしょうねぇ。
渓谷の素晴らしい風景に癒されましたっ!
Commented by hairpriori at 2015-08-23 14:42
お水
冷たいんでしょうね
Commented by alpinism2 at 2015-08-29 08:50
sho-m1228さん、ありがとうございます!
幽玄・神秘・・・その言葉がピッタリとあてはまる素晴らしい谷でした♪
もちろん剱や穂高のクライミングも楽しいのですが、滝や緑のある豪快な風景は格別です。
ヘタレなので滝は易しい箇所でしか登りません(笑)
Commented by alpinism2 at 2015-08-29 08:52
kk5d2さん、ありがとうございます!
登ったのはお盆前の8/9でした。
うだるような暑さの大阪から、ちょっと避暑に出かけたって感じです(^^ゞ
街とは違って25℃しかありませんでしたが、泳ぐには十分な温度でしたよ♪
Commented by alpinism2 at 2015-08-29 08:56
hikarigraphyさん、ありがとうございます!
昔から、大峰はゴルジュ、台高は大滝・・・と言われますが、それを象徴するかのような深い谷でした。
とにかく壁が切り立っていて谷は暗く、迫力満点の立合川。大雨が降ったら終わりですね(+o+)
25℃ぐらいあったので、快適に泳ぐことが出来ました(^.^) 泳ぐの、大好きなんです(^^ゞ
Commented by alpinism2 at 2015-08-29 12:44
dosanko-mamaさん、ありがとうございます!
私も『秘境』と言う言葉がピッタリだと思いますねぇ。
沢登りをやってる人でも、そこそこ本格的な人しか行かない不便な場所にあります(笑)
事故は絶対に許されないので、安全第一で用心して登ってます(^^ゞ
Commented by alpinism2 at 2015-08-29 12:47
鍵コメ@2015-08-20 08:50 さん、ありがとうございます!
明るく爽やかな渓流や沢の写真は、多くの皆さんが目にすることがあると思います。
これだけ強烈な深い谷は迫力もあって、撮らずにいられませんね(^_^;)
ただ、登るのが目的ですし最優先なので、どうしても写真の完成度が低くなってしまいます(笑)
Commented by alpinism2 at 2015-08-29 12:50
あっぽちゃん、コメントありがとう!
以前から行きたいと思っていた、憧れの谷・立合川。
今回は偵察と言うカタチでほんの出だしだけの遡行だったけど、十分に満喫しました♪
ホンモノはもっと迫力あるので、来年は一緒に行かない???
Commented by alpinism2 at 2015-08-29 12:54
shuさん、ありがとうございます!
水の色は感動するほどに美しいです(^.^)
エメラルドグリーンというか、コバルトブルーというか、とにかく綺麗なのです♪
沢登りは比良山や南葛城山あたりでも出来ますが、谷のスケール感や水の色は大峰とは全く違います(^_^;)
Commented by alpinism2 at 2015-08-29 12:58
mintさん、ありがとうございます!
都会から離れれば離れる程に、水は美しく景色は壮大になりますね~♪
今回は最後まで登りませんでしたが、最高の達成感を味わうために来年チャレンジしてみたいです!
Commented by alpinism2 at 2015-08-29 13:00
とーちゃん、ありがとうございます!
水温は、真夏のプールや海よりはかなり低いと思います(^^ゞ
登って歩いて体が温まっているので冷たさは感じませんよ~
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